スーパースター

人は感情でしか動かないじゃないですか。そうじゃないと言い張る方もいるかもしれないので言い換えると、大衆は感情でしか動かない訳じゃないですか。

志村けんが死んだ。コロナに気を付けて生活する人が今日を境に爆発的に増えると思う。今までだって気をつけてきたのかもしれないけれど、より一層防疫の為の行動をしていくと思う。大衆にその危機感を持たせることは政府にすら成し得ないことだ。
これで少しでも感染拡大が防げれば、感染スピードが遅くなれば、その分笑顔になる人は増える訳で、スーパースターは死に様もスーパースターだ。


僕なんかは志村けんは関係のない人というかほんと芸能人というかそういう人なんですけど、芸能人が死んではじめて泣いた。びっくりした。
見たことなんて一度しかなくて、ほんッと昔に志村けんのコント番組でのエキストラというかその他大勢の内のひとりとして参加したことがあった。

生で見る志村けんのコントの実演はそれはそれは凄かった。なんで笑ってしまうのか仕組みがわからなかった。そりゃ子供の頃からテレビで見てきたし、大笑いして大好きで僕ら世代にとっちゃお笑いの基礎になっている人だから、そんな大物を間近で見てる。オーラに気圧されて笑っている、というのもあったかもしれないけれど、全然違う。単純に面白い。極めちゃってる。
僕が見たコント、それは打ち合わせの元に作家さんが書いているものだけど、ボケ自体は本当に大したことないし誰でも思い付くもので何なら昨日はじめた新人のネタのボケの方が面白いまであるくらいのものだった。でも志村けんがやると面白い。それは言い方だとか間だとか表情仕草感情など、笑わすというコトを極めちゃってる人がやるから、それはもう誰にも真似できないコントになってしまう。凄すぎる。
中華料理極めた人の炒飯が飯と玉子だけで超絶美味いみたいな感じ。


いつだって物事はシンプルなほど良いんだな。そのシンプルなことを極めるというのがとてつもない道なんだけど。
まあハチャメチャな人だと噂はよく聞くし、周りにいた人々の苦労だとかはあるだろうから、美化し過ぎるのは嫌だけど、お笑いをやっている人で志村けんの凄さを感じない人はいないわけで、やっぱり稀代のスーパースターなんだよな。ご冥福を。