歯医者

僕はここしばらく歯医者に通っている。
はじまりは金属の詰め物がとれたからなんだけど、歯医者なんて、久しぶりにいったら何でかよくわからないけど何回も通う羽目になる場所といえば?というアンケートで世代別、性別、職業別、地域別全て通してぶっちぎりの第一位をもう何十年も連続でとり続けている絶対王者である。五年ぶりくらいに歯医者にいった僕も多分に漏れず何回も通うことに。

週に一度。だいたい火曜日の午前中に通っているので、火曜日の午前中に来るような成人男性は美容師と相場が決まっているのでそう思われている節がある。なのでコチラもその設定にのって美容師として治療をうけている。


さ、なにをそんなに何度も通っているのかというと、まず当初の目的の場所の治療。次に他の箇所で歯がかけているところがありコレを治療。そして最後に現在治療している、昔ほっとかれた左奥上部の箇所である。
ここは十代の頃に虫歯になって銀歯になっているところなんだけれど、何の問題もなく過ごしてきた。歯医者なんて必用に迫られなければ行かない所であり3、4年に一度通うか通わないかみたいな感じなので毎回違う歯医者にかかる。そして25歳くらいの時に行った歯医者で、初診でレントゲンを撮った時に「なんじゃこりゃあ!」と言われた。例の箇所、中に防腐剤?みたいのを詰めるらしいんですが、それが突き抜けてはいけないところまで突き抜けているとのこと。その治療をした医者が雑だったり下手だったりしてそうなっていたそうだ。確かにその治療を行ったのは肥った口汚い醜怪な老人で奴隷商人のようだった。
で、その問題の箇所は今すぐ治療しなくても問題はないけれど、いつかとんでもないことになる。治療しようと思ったらウチでは無理だから大学病院を紹介する。と言われた。そんな大事なのか。なんの問題もないけれど。ただその歯が刺さっている歯茎のところにニキビのような白いポッチがよく出来るなあくらいだったので、放っておいて幾星霜。
毎度初診のレントゲンを撮った時に数々の医者に「ああ…これは…」と言われてきた。皆、面倒臭そうな顔をしてその時、歯医者に行くことになった箇所だけの治療しかしてくれなかったし、なんだか態度が悪かった。


そして、今回の歯医者。まず感じがいい。五年以上ぶりで歯医者にいったので、色々と問題がありそうなものの、まづ歯磨きちゃんとしてますねえ!と誉められた。エヘヘおいら誉められるのなれてないから赤面したけど、なんか歯磨きちゃんと出来てると誉められるのなんか滅茶苦茶嬉しいエヘヘ。あと、おいら一本も親不知がないらしい。それを聞いて医者関係ないけどこの歯医者めちゃ好感度高いジャン!そして遂に治療が終わるかと思われた時、例の箇所を治療するかどうか?と聞かれた。


そこで思ったのは、え?出来るの?である。かつて大学病院でないと治療出来ないと言われた箇所である。こんな町医者に治療出来るものなのか?だってよぼよぼの老人医師とその息子と思われるサッカー実況でおなじみのジョン・カビラを彷彿とさせる見た目のおじさん医師(ひとりごとが多く、治療中にあ、やべ、とか舌打ちなどNG行動が多い )の小汚ねぇ小さな町医者だ。大丈夫なのか?それとも医学の進歩で、もう誰でもできるようになったのか?

 

僕はジョンのキラキラした瞳を信じることにして、斯くして来週に治療を終えるのである。長かった。当初の目的から随分遠くにきたもんだ。やはりこの箇所の治療が一番時間がかかった。来週が楽しみである。都合により来週は水曜日にいくことに。

 

あ、あ、あ、美容師じゃないのバレちゃうな。