元気玉を作ろう。

癌細胞の写真を見たことありますか?僕はあります。直接見たこともあります。

ほんとね、悪~い見た目してるんですよ。たとえそれが『癌』と知らなくても、ひとめ見ただけで"悪"とわかる見た目をしています。もう本能に訴えかけてくるというか。暗闇って怖いよねレベルというか。
そういうことって色々とあると思うんですよね。
怖い音ってありますよね。クラシックでもホラー映画のBGMでも。あれ、なんか本能に訴えかける恐怖の旋律のパターンとかあるんでしょうかね?映像とか意味とか取っ払って音楽だけでも、もう怖いですよね。


で『戦争』って悪いことって分かるじゃないですか。これは教育の賜物だと思うんですよ。本能的にじゃなくて後天的に得た感覚だと思うんです。
僕は戦争のせの字も知らずに大人になってしまったけれど、戦争は良くないことだと知っているし、思う。これは繰り返し繰り返し『戦争は良くない』と教育されたからだと思うんです。
本当に戦争は良くないことなんだろうし、僕もそう思う。コレって凄いことですよね。
戦争の悲惨さなんて想像も出来ない。子供のころ、原っぱで遊んで地雷が埋まっているなんて思ったことない。大人が怖かったのは、機関銃を持っていたからじゃない。影が建物に焼きつくなんて思いもしないし、戦争が終わってからも悲惨なひもじい日々が続くなんて知らない。そんな価値観は持ち合わせていない。けれどそれが普通の感覚、出来事である場所がこの地球上のどこかにはあって、痛ましいことですと思うことしか出来ない。
でもどんなに心を痛めても、足の小指を机の角にぶつけたらそっちの方が一大事だ。何の説得力もない。


でも想像して、心を痛めて、何かしなきゃって思うことが無駄だとは思わない。


冒頭に話した、本能的に悪感情を抱くものがあるならば、もちろんその逆。理由もなく、本能的に良いと感じる物や場所や感情や音楽があるはずだ。

そして、そういったものを僕らは教育されてきた筈だ。元気玉ですよ本当。ドラゴンボール元気玉みたいなものは実際にあると思うんですよ僕は。ひとつひとつは小さいけれどみんなの幸福な記憶や感情を集めた元気玉。言語や世代や人種や宗教も越えて、本能的な普遍的な幸せ。


なんというか、そういうオセンチな気分ですよ。こういう事を言っちゃう気分ですよ。

僕にやれることなんて、せいぜいその元気玉の一助になれたらいいな、と願いながらくだらないコントを考えることくらい。

元気玉作ろ