鏡の中の男に今復讐を誓う

年明けてからこっち、肥えた実感はありながら何とか現実を無視し続ける事が出来た。
なぜなら一月の終わりにやさしい雨の単独ライブという催し物があって、やってみたら分かるけど、単独ライブというのは相当な労力と胆力が必要な為、風邪の治りかけの時に1日だけ訪れる過剰にエネルギーを摂取しても構いませんよ状態がひと月ほど続いた。

しかしそれも終結。いよいよ肥えた自分と向き合わなくてはいけないのである。向き合おうとして、本日体重計に乗るも、僕は視力が弱いので数字がハッキリ見えなかった。

残念だ。兎にも角にもダイエットしなければいけないであろう数字なんだうね、きっと。ヨシッ!痩せるぞ!

 

こんなことを言うと必ず、「男でダイエットなんてみっともない。日本男児たるものその軟弱な思考は如何なものか?」なんていう痴れ者が湧くが、声を大にして言ってやろう。

日本男児だからこそ痩せる必要があるのだ。

 

まあ、もう人生の半分が小肥りの俺が言うことではないけれど、男が肥っていて良いことなどひとつもない。

女性なら、それでもパイオツが膨らむなんてメリットも多少あろうが、男は皆無。男にパイオツがあればそれは不摂生、不道徳、怠惰な生活と人生観の証明であり、何がどうしたところで母乳も出ぬので、それ以外に意味があるとは思えない代物である。もちろん僕にはパイオツがあるッガビーンッ!
肥っていると貫禄が出るじゃないですかあなんて意見もあるが、そんなものはザッツ大陸系の思考回路であって、ここは島国だ。ンナもん一蹴して一笑に伏すわ。ンナこと言う奴あ大陸出身だ。


それに、個人的な話をすると僕のビジネスパートナーであるまっちんがあの様なルックスである為、ビジネス的にも僕なんかは痩せていればいるほど良い。

 

とにかく、マジでダイエットしなければ。

 

となると運動をするべきだが、実は昨年、春の終わり頃~秋の入り口あたりまで、週に一度くらいのペースで自宅から徒歩1分ほどのところにある区民プールで水泳に興じていた。

興じていた、というとなんか温いというか、遊びというかそんな響きがするけど、通ってるこっちとしては充分本気というか、一時間クロールで泳ぎ続ける訳で興じてる感はあんまりない。でも興じてるという表現をあえて使うのは、週に一度の一時間というペース、なんなら行かない週もあるみたいなペース。そしてひとりで通うのではなく家が近所のゴールドラッシュの田邊さん、トブ電波のオニーさんというパイセン等とふたり連れ、または三人で通う事が多かったからである。


オニーさんは筋トレとかしていたりするから、割かしストイックに泳ぎなさるのだが、ゴールドラッシュの田邊さんという人はイチモツのデかさをひけらかすのが我が人生の唯一の娯楽です。みたいな野蛮な眼鏡野郎というかソシオパスなので、毎回更衣室でイチモツがデカイ事がどれほど尊い事なのかという講釈を15分程聴かされたりして、周りの目もあるので非常に恥ずかしかった。且つ僕同様、自分に激烈に甘々なので、もうプールに通うも興じてる感満載なのである。


しかし、そんなチンデカ眼鏡パスも後半はかなりストイックに泳ぎはじめた。僕も僕でひとりで通いはじめたり週2のペースにしたりと痩せはじめていた。
しかし、一旦体調を崩してサボタージュすると中中復帰するのは難しく、週1プール部も空中分解。ライブでお二人に会っても互いにその話題には意図的に触れないというか、そういう日々が過ぎた。


そして年末、年越し。


僕は非常に過剰に摂取した。エネルギーを。おもちをいっぱい食べた。

そんな自分にアデューアデュー。
僕は鏡の前に敢然と立ち、Mr.childrenの優しい歌よろしく鏡の中の男に今復讐を誓うのだ!

 

 

オイッU痩せるんだろ?なんだその手に持っている物は?パリパリバーか?うん、美味いよな風呂上がりのアイスは。しかしそれで最後だぞ?それ以降はダイエットに勤しむのだぞ?なに?パリパリバーは8本入りのboxタイプを購入したのか?なら仕方ないけど、勿体ないから、それを食したらもう終わりだぞ?1日一本食べたとして、約一週間後には痩せる為の努力を、ってなにしているんだ?そのパリパリバーは2本めじゃないか。なにを贅沢しているんだ、置きなさい。置きなさいッ!言うことを聞きなさいッ!逃げるなッ!コラーッッ!


やれやれ、鏡の中の男は中中に強敵だ。