はしご酒

昨日の夜、パソコンを起動させると何かずっと起動中みたいな感じになっちゃって、一回うんこ挟むかと思ってトイレ済まして戻ってもダメで、10分くらい待っててもダメだから、じゃあいいやと思っても電源は切らないでくださいみたいな事を言われるし、さらにしばらく待ってもダメで、そこから30分くらい待ってもなんかまだ起動中ですみたいこと言ってて、は?もう一時間近く起動中なんだけど。普通に起動してたら、いじって電源落とすまで多分一時間も使わなかったんですけど。その時間よりも長く起動中で、あ、これイカれた?え?って事は、なんか小説を書きためていたんですが、それ消えた?え?マジ?ってなってパニックになって、これは失恋みたいな喪失感で、飲まずにはいられないと思って、赤ワインが1/3ほど瓶に残ってたのでとりあえずラッパ。
グラスに氷を入れ今年の正月に叔父からもらった高級な芋焼酎森伊蔵も1/3ほど残ってたのでこれもロックでくくっと飲み干す。三杯くらい。めちゃくちゃ美味い。やけで飲むには勿体ねえがやはりあまりに美味いので飲み干してしまった。

すると、まだまだ飲み足りないなあと思い徒歩で中野へ。財布とスマホだけもって家を出ると少し雨がパラついてんのに気づいたけれど、まあ止むっしょ。と思い家に傘をとりに帰るのも億劫だしそのまま中野へ。

 

立ち飲みワインバーで二杯ほど赤ワインを飲んでいつものマスターがいなくて若い女性だったけどプリズンブレイクマイケル・スコフィールドばりにタトゥー入ってて怖いんでサクッと出る。

モーニングには通っているけど夜のバーの状態の時に行ったことないからitoma行こうかと思いつくが、祝日は休みだったのを思い出す。高円寺なので移動する前に思い出した自分を誉めたい。

腹が減ってきてなんか腹に入れようと思って、あの中野の迷路みたいに飲み屋が密集してるとこ彷徨いて、そういえば野菜を中心に洒落てかつ美味い店あったなと思い出したけど迷路だから見つからず。

しゃあない、かっぱという店に行こうと思ったら休みで、ウギャンってなって、なんか食いたいからまだまだ彷徨いてたら、雨パラついてんのに外で飲んでる店あって、外国人多数で、ちょっと店の中の方覗くとギターなんか何人かバラバラに弾いてて、非常に楽しそうで、入ろうかなと思ったけど、とりあえずお腹減ったから汚ねえ中華料理屋に入る。

青島ビールちびちびやりながら、焼き小籠包とイカのすげえ辛い炒めた奴が美味かったから腹いっぱいになってたけど調子に乗って酸辣湯頼んだら、これだけ非常に異常に非情に不味くてしかも量が多くて、気分悪くなって脱出。

さっきのギターひいてた店行こうと思ったら迷路だから道に迷って、そしたらなんか調子のよさそうな楽しげな酔っ払った兄ちゃんがすれ違い様に中野でスパイダー知らなかったらモグリよと言われて、ササッと行っちゃったんで、なんとなく後をつけてみると、ギャルが何人かカウンターに座ってて、そうじゃねえんだよな。やっぱ外国人が屯するギターひける店楽しそうだったなと思いなんとかたどり着くと、時間が遅くなったからか、さっきの喧騒からは程遠く、しっぽり飲む感じのバーになってて何か違っちゃって、馴染みの日本酒の立ち飲みバーへ。

3杯くらい日本酒飲んで、常連ぽい女性二人組とひとりで来てたサブカルアラサー女子みたいな人と話してて、このひとりで来てた女がそんなテンプレートで癖のある女やらないでよって感じで、もう逆に全然珍しくないタイプの人種だったんで、変わってますねって何回も言ってあげた。

まあ、この辺で帰れば良かったんだけど、なんか酔わないというか、散歩で少し回復してたので荻窪へ。


立ち飲みワインバーに行くといつもいるモヒカンのマスターはいなくてバイトの女性。前にちょろっとだけ話した金持ちのおじいちゃんがいて、おじいちゃん酒のみだなあと思いつつ赤を何杯か飲んでると、俺の隣が、女二人組で、さらに奥に男ひとり、さらに男ひとりの四人で会話していて、女二人組のひとりが名前忘れてしまったから仮名で幸子とする。幸子がなんか今、男に言い寄られててどう断ったらいいか?みたいな恋ばなをしててYJもこれに参戦。


状況を説明してもらうと、幸子が常連で通う荻窪にあるビールのバーがあって、相手もそこの常連さん(以降、田中さん《仮名》とする)で、誘われているけど無下に断ると今後バーに行きずらくなるし、上手い断り方ないかなあ?ということだった。
今のところ出た作戦で一等とされていたのは、ディズニーデートを予定してドタキャンする、という身も蓋もないどうしようもない作戦で、ダメダメじゃんと思い、そこはやっぱ恋愛ネタを得意としているし『今、子宮にくるコントをやるコンビと言えば?』で名前が最初にあがるやさしい雨のネタ作成担当のYJなんで、ビシッとアンサーを返してやりましたよ。


俺のだしたアンサー。
それは『唾をぶっかける』これに尽きる。アルパカ作戦だッ!!


なんか一笑に付されて、腑に落ちなかった。これはマジで割りといい方法で、結局ヤバい奴だと思われるのが一番いい訳です。でもあからさまに唾をぶっかけると喧嘩になってしまう可能性があるので、アルパカの物真似をして、その一環で唾をこれでもか!とぶっかけるというものだ。完璧に思われた作戦も、相手が私の事を好きだと喜ばれる可能性がある。といわれ確かに。僕なんかも好意の女性には唾をぶっかけられたいなと思うし、これは駄目な作戦だった。

すると、僕の連れがあっさり完璧なアンサーを。


その常連のバーに田中さんがいるときに、幸子が男を連れて行く。というものだった。

なるほど。簡単かつ明瞭な作戦だ。僕のアルパカ作戦の次にいい。

この作戦が出た時に、新しくお客さん(以降、茂木さん《仮名》とする)が来て、また茂木さんが丁度いいくらいのイケメンというか、イケメン過ぎないところがまたリアルというか、歳の感じも丁度いいし、幸子とも知り合いで2、3回飲んだこともあるらしく、じゃあ茂木さんに手伝ってもらえばいいね!と大盛りあがり。


ここで重要なことを読者諸君にいい忘れていたが、幸子は決していい女ではない。なのに田中さんに言い寄られて調子乗ってる感が満載の嫌な奴なのだ。
田中さんの写真を見せてもらうと、全然色男で、性格もめちゃくちゃ良さそうで女を幸せにしてくれそうな好青年だった。現に幸子も田中さんは滅茶苦茶真面目でいい人だ、と言っていた。では、なぜ幸子は田中さんの好意を無下にしたいかというと、ほんと調子乗ってるだけで、女性にはこういう性分が全員に多かれ少なかれあって辟易するのだか、正にそれで自分が優位に立っていると勘違いしているのだ。
写真をみた感想でしかないが、なんなら田中さんの方が幸子で妥協してくれているというか、幸子もアラサーではあるけれども、まだもうちょっと遊びたいというか、そんな感じなだけなのだ。

僕も連れもそんな幸子の思惑はとっくに看破していて、でも調子に乗らせるとどんどん調子に乗るので調子に乗らせる。


そこにやって来た茂木さんなのだ。この茂木さん、今でも充分モテそうだが、若い頃に多分相当なプレイボーイだったと思われる。しかも独身かつ彼女なしで結婚願望が凄いあると言っていた。
あとで、39歳と聞いて、あ、だったらその感じは少しまずいねとは思ったけど、この茂木さんも相当遊んできて婚期を逃し、そろそろまずいなと感じ、そこらへんの女で手をうったろかい感が凄くて、まあ幸子どう?みたいな感じでこちらも焚き付けて、幸子は幸子で茂木さんに遊ばれてお灸をすえられろ!と思うし、めちゃくちゃ焚き付けて、気がつけば二人は夜の町に消えていった。ミッションコンプリート。

や、なんかすげえ悪口みたいになっちゃってるけど、めちゃくちゃいい人なのよ茂木さん。幸子はともかく。
俺は田中さんにこそ幸せになってほしいというか、幸子なんかに関わってほしくなかった。等と、写真を一瞥しただけのしらない男の幸せを願った。


店を出ると、雨脚強く、小走りで荻窪駅のロータリーまで帰ってくると、俺はサンダルだったので滑り大転。ボギュムムッという人間の肉が潰れる音が響く。骨折っててもおかしくない転び方したのによく怪我しなかったな。ハンドボール仕込みの倒れ込みで助かった。顔をあげると、もう深夜2時を越えるというのにたい焼き屋みたいなドーナツ屋の明かりがついていて、まだやってんのか?と思い、〆に甘いものでも食べたいし、覗くも人のいる気配がなく、なんだこれ?と思ってカウンターからズイと身体を中にいれて見ると、おっさんが寝ていて、疲れきった顔をしていて、慌てて起きるとあ、もう閉店してる。とのこと。
早く片付けて家に帰ればいいものの後片付けもおっくうな程に疲れてきっていた。お疲れ様です。

 

朝、起きると酔いはさめているのに、二日酔いしてないのに、なんか凄く気持ちわるくて、多分日本酒が効いてて、息が日本酒臭い。

そんなに飲んでるつもりなかったけど、こう思い返すとまあまあ飲んでるな。

 


家に帰ってくると、昨日出かける前の俺はそんなに飲むつもりなかったんだろうな、明かりがつきっぱなしで、エアコンもドライでつきっぱなし、パソコンもついでにつきっぱなしで、黒くなってて待機の状態で、いじると普通に使えた。


なんだったんだ?

文章は消えてた。


ギャース!!