詩織の思い出

昨日(一昨日)は事務所ライブで、その後お酒をまあ飲んだのだけれど、最後は家の近くの汚くて臭いラーメン屋でマシンガンズの滝沢さんと二人で飲んで、店を出た頃には2時くらいになっていた。


滝沢さんとサシ飲むと、最終的にいつも小説の話になる。滝沢さんは小説が好きだし、何しろ小説も出版している。小説の他にも本をいくつか出しているし、立派な先生である。


滝沢さんは昔、小説を好きな芸人集めて小説の会みたいなこともしてた。それは皆で同じ小説を読んできて感想を言い合う会なんだけど、それに何回か参加した事があって、その会で一度、自分で書いてきた小説を回し読みする、みたいな事をした。

相当に昔の話で、そんな事を僕はてっきり忘れてしまっていたのだけれど、僕もそれに参加していて、当時書いた小説を昨日滝沢さんに誉めてもらった。嬉しかった。


というか、サシ飲んで小説の話がはじまる頃にはふたりとも結構酔っていて、毎回、そのへんになるとおじさんふたりで汚くて臭いラーメン屋で瓶ビールをちびちび舐めながら誉め合うという、まあしみったれたサラリーマンさながらの、しかもサラリーマンじゃない。という何とも不細工な様相で、一応舞台に立ってる者だからふたりとも声が大きく、狭い店内に響き渡るニタニタ笑いで気付いたら客は我々ふたりだけ、みたいな状態である。


ま、ま、それはいいとして、滝沢さんが誉めてくだすった僕の文章、今手元になくどこにあるかもわからんのですが、確かタイトルは『兄と詩織の事件簿』だったと思います。人生ではじめてちゃんと結末まで書いた小説だから、思い出すと結構覚えてる。

 

 

『兄と詩織の事件簿』がどんな話かというと、ザッとプロットを説明させていただくと、3つの主観が順繰りに語る構成で、まず主人公の詩織。
詩織は絶対音感をもつ女子高校生で、暗闇の中、身動きのとれない小さな箱の様な空間で目が覚めるところからお話がはじまる。
というのも、その頃その地域では女性の誘拐事件が多発していて、詩織は誘拐されてしまったのです。


次の主観が個人タクシーのドライバーの男。大体こいつが話を進めます。もう家に帰ろうかという時に、大きなトランクをもった細身の黒ずくめの男を乗せる事になり、そこからタクシードライバーの話がはじまります。

しばらくは詩織とタクシードライバーの主観が交互に繰り返され、それぞれ状況を把握していきます。

詩織は自分が小さい箱に入れられて運ばれている事を体感で知る。
過去、生まれついての絶対音感自閉症気味な幼少時代を送ったこと。詩織には兄がいて、兄は暴走族の総長だったけれど今は真面目に働いていること、そんな兄とは喧嘩ばかりだったけれどいつも守ってくれていた事などを回想していく。

タクシードライバーの男は、乗せた黒ずくめの怪しい男に色々とユーモアも交えて会話をふるけど反応があまりなくてそんな陰気な男が嫌で、なるべく早く男を降ろしたかったけれど、男の目的地が遠く、それは自宅の近くだから良かったけれど、なるべく早く男を降ろしたかった。そんなときつけていたラジオから頻発している誘拐事件のニュースが流れる。男の持った大きなトランクが気になりはじめる。

ここらへんで最後の主観である、犯人の語りが始まる。動機や犯人の育ってきた背景、そして現在の状況が知れる。


詩織は微かに聞こえてくる会話から、兄が近くにいることを知る。

タクシードライバーは、段々と男を警戒しはじめる。

犯人は、今運んでいる少女の他に感づいた男を殺そうと決意する。


みたいな感じで話が進んでいって、文章を普通に読んでいくと、タクシードライバーが詩織の兄で詩織は怪しい男のトランクに入っていると読者は思うんだけど、実は、タクシードライバーが犯人で、犯人の主観もタクシードライバーの主観で、詩織は車のトランクの中に入れられていた。

怪しい男の方が、詩織の兄である警察の人間で、兄は妹のあずかり知らぬところで美少女である詩織を囮に使って捜査していて、見事犯人をつり上げた、という結末。兄が本当の主人公。そういったちょっとミステリみたいな、トリックというか要素もあるお話でした。当時、好きだった乙一の影響がモロに出ている感じの小説でしたね。


ま、小説の細部は覚えてないだろうけど滝沢さんは、あのタクシーのやつ良かったよ良かったよお前割りといい文章書くよな、と誉めてくだすって、それを真に受けてヤハハと愉快な気になって、僕はじゃあ久しぶりに小説でも書いてみようかなと思った。

こんな感じだと軽いというか、そんな感じに聞こえるかもしれないけれど、ちゃんと。本気で。
というのも、物語を創作したことがある人はわかるだろうけど、物語というのは、実は、結構誰でも簡単に面白そうな感じで始められる。しかし、ちゃんと終わる、物語を完結させるのが難しく、短くても長くても、終わりまで物語が書けたら大したものなのです。
何か訳知り顔で語ってますけど、ま、ま、まがりなりにもネタを書いてる方なので、物語は創り続けてきた訳なので許してネ。赦せ。


完成したら、ワハハ、ま、完成度によるけど、同人誌みたいにして手売りしてやろうかしらん。

 


【ダイエット12日め】


体重79.3㎏
体脂肪率24.5%


昨日暴れ飲み&暴れ食いしたのに、そんなに体重は増えてなくて、あら?と思った。ま、ベリーファットなのは変わらないけどサ。
相変わらず、体脂肪率が下がってる。謎。